旭鳳酒造の新シリーズ「烏輪」がリンゴだった件

慶応元年(1865年)創業

酒蔵さんぽ。今回は広島県広島市安佐北区可部3丁目8-16にあります「旭鳳酒造」(きょくほうしゅぞう)さんを散歩しました。

慶応元年(1865年)創業で、代表銘柄である「旭鳳」は三代目が朝日に向かって「鳳凰」(ほうおう)が舞い上がるという壮大な夢を見たことから命名されたそうです。

もし夢に、鳳凰が出てきたら、宝くじでも当たるんじゃないかと思って店に買いに行くくらいインパクトある夢だなと思いました。

軟水と硬水のいいとこどり

旭鳳酒造では、可部の地下水を仕込み水として使用しており、その水質は「硬水に近い軟水」だというのです。

軟水の特徴として柔らかさと、きめ細やかさがありながら、硬水の特徴である、存在感のある旨味とキレがうまれる。

まさに軟水と硬水のいいとこどりができるというわけです。広島の酒と言えば軟水を使っているイメージが個人的にはあるんですが、

この水の大切さというのは、酒蔵を散歩するようになってから、意識するようになりました。それまでは、ただ好きで日本酒を飲んでいるだけでしたが、

どんな仕込み水を使っているのか?米は何を使っている?麹は?と色々なことが気になりだしまして(笑)

より日本酒の奥深さと、造り手のこだわりや手間を感じるようになり、更に日本酒が美味しく感じるようになったのではないかと思っています。

7代目の決断

先代からのバトンを26歳という若さで引き継いだのが現在の7代目です。

6代目までは、蔵元が経営、酒造りは季節雇用の杜氏に任せていたとのことで、7代目が初めて蔵元杜氏にる決意をしたとのことでした。

7代目は「旭鳳らしさ」を追求。杜氏が変わる事で、蔵の味が変わってしまうことに問題を抱えており、前杜氏の使用していた酵母を変えるという大きな決断をします。

長期的視点から「広島吟醸酵母」から「KB-1」「KB-2」という酵母を、ほぼ全ての商品に使用することにしました。

広島吟醸酵母
大吟醸酒や純米吟醸などの高級酒の製造に使われることが多く、華やかで香り高い酒に仕上がるといった特徴があります。

KB-1 KB-2
「KB(可部)酵母」30年以上前に先代が、広島県立総合技術研究所の研究開発に携わり生み出した自社酵母。香り穏やかで、発酵力が強く、酸もしっかりでるという特徴があります。KB-1のほうが香りが華やかでKB-2はドライタイプのキレ味です。

前杜氏までは「香りの旭鳳」と呼ばれていましたが、香りに頼ることない、酒質へと転換することで、多くのコンテストで金賞を受賞するようになり、

旭鳳らしさを確立していくことなります。

試飲ができます(空いているものがあれば)

今回、私は試飲をしてませんが、お聞きしたところ、空いている商品があれば試飲をすることができるようですが、種類は選べません。とのことでした。

烏輪 赤いからす 特別純米

購入したのが「烏輪(うりん)赤いからす 特別純米 無濾過生原酒」です。

烏輪は太陽を表す言葉で「ひだまりで飲みたいお酒」を造りたいとという思いが込められている、旭鳳の新シリーズとなります。

広島県産の「中生新千本」(なかてしんせんぼん)と自社酵母で醸した酒は、香りは控え目でありながらも、

口に含んだ瞬間に「これはリンゴだな。」と確信する甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。しっかりと強い酸味が特徴的で、

刺身や魚介類との相性は抜群だなと感じました。ほんと丸ごとリンゴに嚙り付いたくらい強くリンゴを感じました。私くらいのレベルだと、

メロンとか洋梨とかに例えられることの多い日本酒ですが、結構ピンとこないというか、あまり感じ取れないことも多々あるんですが、

烏輪に関しては、誰が飲んでもリンゴを感じると思います。それくらいインパクトある果実感が魅力的だなと感じました。

とても美味しかったです。旭鳳酒造。是非散歩してみてください。

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