いつも身近にあった千福

酒屋さんぽ。今回は広島県呉市本通7-9-10にあります「株式会社三宅本店」(みやけほんてん)さんを散歩しました。
「千福」(せんぷく)を代表銘柄とする蔵で、私の実家でも小さい時から千福の2Lくらいの紙パック酒が常備されており、1番身近にあった酒と言えるでしょう。
母親は、料理に使ってた。と言っていたので、安価な料理酒しか使わない私にとっては、とても贅沢な話しだとは思いましたが、
それだけ千福という酒が大衆的で購入しやすい価格帯で販売してくれていたという証しでもあるのではないでしょうか?
あれだけ身近にあったのに、大人になると気付かないうちに距離ができていた千福と、今回の散歩でまた「ボディ近」(ゲーム用語)になってきました(笑)
戦艦大和に納品された酒


海軍の練習艦で、220日余りの航海を終えても、変質や味の変化が無かったことを高く評価され、それ以降「全海軍基地」に千福が納入されたとのことです。
そこから、海軍御用達となった千福は「戦艦大和」にも納品されることとなり、広島県の呉には「大和ミュージアム」という場所があり、その映像の中で千福の瓶が映し出されているそうです。
試飲できます(有料)



直売所である「ギャラリー三宅屋商店」では、商品の購入から有料で試飲をすることもできます。工場見学も事前予約すればできるようなので、詳しくは公式HPよりご確認ください。
日本酒のラインナップが豊富で、これだけあると、どれを買おうか迷ってしまいますよね。そんな時に試飲ができると自分の好みを購入できるから嬉しいです。


「艦これ」とのコラボ日本酒もあるようですね。艦隊育成型シミュレーションゲーム「艦隊これくしょん」の公式略称らしいです。やったことないんで詳しくは知りませんが…



試飲は単品からセットまで選べるようになっていて、今回は「千福 純米大吟醸 蔵」を試飲させてもらいました。
甘酸っぱい香りと味わいで、しっかりとした甘みを感じるんですが、やや強めの酸味がサッパリさせてくれるので、甘ったるさは全くありません。
濃厚な味わいで、深い余韻を楽しめるのではないかと個人的には思いました。大吟醸はちょっと価格的に、試飲でしか飲まない…というか飲めないんですが(笑)
綺麗で誰が飲んでもクセなくて美味しいよね。っていうイメージの酒が多いのかな?と思ってたんですが(あくまでもあまり飲んだことのない人間の偏見です)
千福の大吟醸は、個性があっていいなと思いました。刺激的かつ、濃厚で強めの酸味で甘ったるさを感じない。とても美味しい酒でした。
ここでしか買えない酒がある

購入したのは、こちらでしか買えないという限定酒「千福 無濾過生原酒 たれくち」です。ネット販売もされていない超限定酒って買いたくなっちゃいますよね。


完熟したバナナのような香りが広がり、口に含むとビリビリと強烈で荒々しい刺激を感じる。これが20度のインパクトか~と思っていると、
後から甘みと旨味が追ってやってきます。濃厚な味わいではありますが、後を引かないキレの良さと、お腹が一気に熱くなる満足感を感じました。
夏しぶき 純米吟醸

もう1本購入しました。こちら数量限定の「千福 夏しぶき 純米吟醸」です。
広島県の呉をテーマにして、呉の海や「鉄のくじら」をイメージしたデザインとなっています。鉄のくじらとは「潜水艦」の比喩(ひゆ)です。
2018年から販売を開始して、毎年売り切れてしまうという人気の銘柄となっており、広島県産米にこだわって造られています。
香りは、そこまで強く感じないんですが、口に含むと「パイナップル」のような香りが一気に広がって、鼻が喜んでました。
そこから強めの酸味と甘みを感じ、あ~甘酸っぱくて爽やかだなという印象。キレが良くスッキリとした後口は、まさに夏と最高に合う美味しい酒です。
この酸味がいいんですよね。古風な酸味ってありますよね?昔ながらの日本酒の酸味みたいなもの。そういう感じとは違う「爽やかな酸味」という印象で、
説明するのが難しいんですが、刺身との食べ合わせも非常に合いましたし、油の多い肉にも絶対合わせても美味しいと思います。

毎年完売する理由が分かる美味しい酒と出会えて幸せです。また追加で購入させていただきます。行かないと買えない限定酒もある株式会社三宅本店。是非散歩してみてください。
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