現代の名工


酒蔵さんぽ。今回は三重県伊賀市阿保1317にあります「若戎酒造」(わかえびすしゅぞう)さんを散歩しました。
1853年に創業し、現代まで受け継がれてきた酒造り。歴代の杜氏の中でも、6代目「中村 貢」(なかむら みつぐ)氏の存在は大きく
厚生労働省によって表彰された「卓越した技能者」(現代の名工)に選ばれています。
30年余りで70種類を超える「酵母」に挑戦し、オリジナルの酵母を育成したり、多種多様な酵母を使用した酒をブレンドするなど、
天性の勘と、研ぎ澄まされた判断力は、まさに「酵母の魔術師」と言えるでしょう。その偉大な功績は現在でも、若戎酒造の財産として受け継がれています。
ワクワクは若戎から


受け継いできた伝統を守りながら未来に繋げるために、8代目が大きな決断をします。
「令和の大改修」として蔵を大きく改修しました。この色々と価格が上がっている中での大幅な改修工事は、大変だったんじゃないかと思います。
それでも新たな挑戦「ワクワクはワカエビスから」をコンセプトに、大改修だけではなく、色々な酒造りにも挑戦しているそうで、
これからの未来へ向けての投資。大きな決断をされた若戎を応援したくなりますよね。
有料で試飲ができます


全部で5種類の商品を「3種類500円」で試飲をすることができます。全部試飲したい方は1種類につき「100円」払うと追加で試飲可能です。
若戎酒造と言えば酵母。様々な酵母を使った酒達は味わいや香りが全く違ったものとなっており、あなたの好みがきっとあるはずです。





カップ酒や缶酒があったり「ワカエビス」はラベルデザインも可愛くて素敵です。8代目は女性杜氏とのことで、妻も可愛いラベルと絶賛してました。


日本酒だけじゃなくて、物販コーナーも充実していました。酒のお供にピッタリそうな商品が沢山。
「中取り」 純米吟醸 育もと 真秀


購入したのは「真秀(まほ) 純米吟醸」です。酵母の力を借りて、ゆっくりと醸す製法。生酛造り(きもとづくり)や、山廃仕込み(やまはいしこみ)のことを
若戎酒造では「育てもと」(そだてもと)と呼んでおり、中取りという、搾る際に圧をかけずに、滴り落ちる最良の部分を瓶詰めした貴重なものとなります。
印象は、とても綺麗で上品な完成度だと感じました。雑味や荒々しさは無く、香りは柔らかでフルーティーですが強くはなく控え目。
米の旨味を強く感じる甘さ。この甘さが、とても上品。やや強めのアルコール感が満足度があり、温度帯によって全く違った顔になるので
色々な温度帯で飲んでもらいたいなと思える旨い酒でした。若戎酒造。是非散歩してみてください。
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