板倉酒造「無窮天穏 縁起」

世界とその未来が平和であることを願う

酒蔵さんぽ。今回は島根県出雲市塩冶町468番地にあります「板倉酒造」(いたくらしゅぞう)さんを散歩しました。

明治4年に創業し代表銘柄である「天穏」(てんおん)を醸造されています。なぜ天穏という酒名になったのか?

仏教の聖典の総称である「仏典」(ぶってん)の「無窮天穏」(むきゅうてんおん)という言葉から命名されたとのことです。

無窮天穏の意味は「天が穏やかであれば困ることは無い、世界とその未来が平和であることを願う」そういった意味があり、世界が平和になって、自分の子供が生きる未来が幸せであったらと

私も思っているので、ただ天穏というネーミングがかっこいいな。くらいにしか思っていなかった私ですが、意味を知ると、より天穏という酒に興味を持つようになりました。

御神酒(おみき)

出雲と言えば「出雲大社」広島に住む私にとって、出雲大社は島根県を代表する場所という認識なのですが、

板倉酒造の「天穏」「無窮天穏」が目指すべき酒が「御神酒」(おみき)だというのです。初詣で神社に訪れた際にいただくことのある御神酒ですが、

本来は神事などで神に捧げるためのお酒で「豊穣」(穀物がみのりゆたかなこと)や「感謝の祈り」など人々の祈りが込められています。

造り手は、こういった思いで酒を造っているんだ。という事を知るだけで、私のような飲むだけしかできない人間でも、感じ方や飲み方が違ってくるんですよね。

試飲ができます(無料)

試飲は無料でさせていただけます。私がお伺いした時は、丁度お昼休憩だったらしく、申し訳ないので出直そうとしたのですが、

快く出迎えてくださり、更には試飲までさせていただきまして、長居してしまい申し訳ございませんでした。

一つ一つ丁寧に説明してくださったのが印象的で、どれも違った味わいの酒なんですが、どこか一つ大きな柱のような?

これが天穏だ!という強い芯のような、共通する味わいを感じました。どれを買おうか迷ってしまいますが、散歩前に1本だけこれは買いたいと思っていた酒がありました。

無窮天穏 縁起

「無窮天穏 縁起」(えんぎ)いつもは散歩する酒蔵の情報をなるべく入れないようにして、一期一会で酒を購入しようと思っているんですが、

たまたまYouTubeで見てしまい、熱燗で飲むなら絶対に外せない。唯一無二の日本酒が、無窮天穏だというような動画でした。

それは買ってしまいますよ(笑)まずは、常温で飲んでみました。柔らかな香りは、やや酸っぱめのフルーツを思わせます。乳酸菌飲料のような香りもして、

香りが少しづつ変化していくように感じ、楽しさがありました。あくまでも個人の感覚でございます。

飲んだ瞬間に、しっかりとした酸味と旨味を感じ、後から渋みも感じる。ワインのような味わいで、このバランスが独特でありならも、

調和の取れている美味しいお酒で、じっくりと飲みたくなるんですよね。YouTubeでも言ってた熱燗も試してみました。

なんだこれ?飲みやすいのに、クラシックな味わい。ワイン感が消えて、米の旨味をしっかりと感じるようになりました。めちゃくちゃ美味しい。お寿司と合わせたくなります。

しっかりとしたアルコール感も感じるんですが、サラサラと飲めてしまう飲みやすさがありました。

個人的には50度後半くらいの熱めで飲むのが好みです。あんまり熱燗飲まないんですが、次回買っても絶対に熱燗で飲んじゃいます。

天穏 純米大吟醸

もう1本購入しました。「天穏 純米大吟醸」です。

とってもクリアで飲みやすい。派手さこそないですが、優しい香りにほのかな甘み。アルコールのキツさも感じない、綺麗で透き通るような印象です。

生酒ばかりを好む私にとって、綺麗な酒は少し物足りなさを感じてしまうこともありますが、天穏ならではの旨味や優しい甘みと酸味。

もっとじっくり味わいたいと思わせてくれ、物足りなさなんて一切感じなかったことに驚いています。こちらは熱燗ではなく冷が個人的には好みでした。今回も楽しい散歩になりました。

板倉酒造。是非散歩してみてください。

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